サトルとナナ

 

映画「旅猫リポート」を見ての感想をつらつらと。

 

私は大号泣というより心がぎゅーーってされるような感覚だったので、そのぎゅーーポイントをとりあえず書いてみます。

ネタバレしてます。

記憶の限りなのでセリフとかちょっと違うかもです。

 

 

 

・サトルとお母さんのけんか

ケンカ、というかあんな感じの言い合いはどの家庭にもよくあるちょっとした言い合いで、あの時のサトルは普通のどこにでもいる小学6年生なんですよね。まだ何も知らない、失ってない時代。お母さんお父さんに普通に怒ったり、つっかかったりする。(サトルはこのまま何も起こらず大きくなったら普通に甘えたり怒ったりできる人になったのかなぁと思うともうぎゅーーが止まらなかった、、、)

でもハチが起こしてくれてお母さんにちゃんと"ごめんね"って言える。

これが言えてなかったら絶対心残りになったと思う。お母さんの"楽しみにしてるね"がとっても優しくてだからこそつらくて…

優しいお母さんとお父さんとハチ、すっごくすっごく幸せな家族。

あんなことになるなんてさぁ、ほんと神様は意地悪だ。

 

・お土産とお父さんお母さんとハチ

仲直りのお土産、こうちゃんが買ってきてくれたけど渡したかったお母さんはもういない。

「お父さんのお守り間に合わなかった______交通安全の招き猫だけど意味なかった______」っての小説にあるんですけどもうつらすぎる、悲しすぎる。

実は、小さい頃、お母さんとお父さんがいなくなったらどうしようって勝手に考えて泣いてた夜があったんですよ……想像でもめちゃめちゃ怖くて辛かったのにサトルは実際にそうなんだって思ったら可哀想で可哀想でなんでこんなにつらいのって。

お母さんとお父さんが死んじゃってサトルにとって家族はハチだけになっちゃって、でもそんなハチとも離れ離れ…アルバム見せて必死に「ハチは家族なんだ!!」っていうサトルに心がぎゅーーって。

ノリコが悪いわけじゃない、誰にもどうしようもない、しょうがないことなんだけどそれでもやっぱり可哀想で悲しくてぎゅーーが止まらなかった。

 

 

 

・「お小遣いほしいって言えない事情あってさ」

体育の授業の体操中、何気なく言う言葉なんだけど、そのあとのノリコの「お小遣い足りてる?遠慮しないで言ってよ〜?」を聞いてから見るとサトルの遠慮がちなところ、頼りすぎないところ(頼れないところ)がすごい表れてるなって。

きっとサトルって、クラスでみんなと仲良くするけどグループとかには所属してないタイプだと思うんですよ。穏やかで優しくてみんなと話したり仲良くしたりしてるけど、所謂"いつメン"はいないタイプ。よくある、男子高校生がグループになってるとこにはいない感じ。

スギに「チカコが好きなんだ」って言われて、わかるよって言いながら身を引く感じ。スギもサトルがそうするってわかってて言ったんだろうし、それを負い目に感じてる。でもサトルはしょうがないよって言うんですよね、サトルはしょうがないよねって諦めてきたことが人より多いんじゃないかな。ハチと離れ離れになっちゃうことも、転校が多いことも、まだ子どものサトルにはどうしようもないことで、そうやって過ごしてくうちに諦めなきゃいけなかったことたくさんあるんじゃないかなぁ。

「遠距離になるって最初からわかってる恋愛なんてちょっとつらいだろ?」ってサトルはちょっと微笑みながら言うけどそれめちゃめちゃ寂しくない???サトルだって世の中の男子高校生と同じように恋したり友達とちょっと喧嘩しちゃったりしてもいいんだよ…

(話それまくりごめんなさい)

 

 

 

・「電話があって今朝…車にはねられて」

いや〜もうここは言わなくてもって感じですよね、ぎゅーーが止まらない止まらない。

ここでもサトルは「家族だったんだ…」って言うんですよね。そうなんだよね、ハチはサトルの家族だった。両親と過ごしてた頃の幸せな思い出を唯一共有してた家族。会いにいきたくてバイト始めたのにそれも叶わないなんてあんまりじゃないか……神様は意地悪すぎません?(2回目)

堪えられずに泣き出しちゃうサトルをとにかく抱きしめたくなりません?つらいね、もういっぱい泣いていいよってなりません?私はなりました、もう何度見てもあそこのサトルにぎゅーーが止まらない。

「高松行く理由なくなっちゃったしなぁ…」って言いながらここでもサトルは笑うんですよね、もうこっちがつらいよほんとに。誰かに寄りかかって泣いていいんだよってすごくすごく思う。だからこそ「行っておいでよ。間に合わなかったけど会いに行こうとしたんだってちゃんと言っておいでよ」ってチカコが言ってくれてほんとここでもぎゅーーが止まらなくって。うんって頷きながら涙を拭うサトルが良い意味でとっても幼く見える、チカコありがとう…

 

 

・よーじやと手鏡

ここも言わなくてもわかってますよ案件すぎますね…チカコの喜ぶ姿にお母さんのこと重ねちゃうよね、あの時の表情にとってもぎゅーーってなる。「手鏡は、今だったら俺が買ってあげたかったなと思って」って小説にあるんですけど毎回ここ思い出しちゃう。渡したかったよーじやとお守り、ずーっとサトルの心にあるんじゃないかな。あの時からずーっと。

 

 

 

・「そんなに長く一緒にいられるなんて幸せなことだね」

これ、モモがご主人とはもう15年になるかしらって言ったあとのナナのセリフですけどこれもうめちゃめちゃぎゅーーっじゃないですか!?このナナの言い方といい、表情といいもう切なくて切なくて。ナナはいつからサトルがあの匂いがするって気づいてたんだろうなぁ。ナナはずっとサトルと離れたくないよって最初から言ってるんだよね、だからこそここでのこのセリフが切なくて切なくてぎゅーーってするんですよね…

 

 

・菜の花畑

いやここも言わなくてもわかるぎゅーーポイントですよね。それまでナナの預け先を探してたサトルの本心が見えるシーン。ここのナナの「やっと本音を言ったね」が優しくってずるい。お見合いがダメになって2人で車に乗ってるとき、ほんとはサトルも心の中では嬉しかったでしょ?これからもずっと2人でいたいでしょ?そんなの知ってるよって。ずっと一緒にいたいのはサトルもナナも同じなんだよ。あぁ…ぎゅーーが止まらない。

 

・ノリコとサトル

もうここざっくり分けちゃいますけどノリコとサトルのシーンもうぎゅーーばっかりなんですよほんとに。ノリコはサトルにごめんねって思ってるし、もっと頼ってほしいって思ってると思うんですよ、一緒に暮らすことになった最初にあんなこと言っちゃって、転勤も多くて寂しい思いさせてると思ってるのにサトルはいつだって大丈夫だよ、そんなことないよって笑ってくれたんじゃないかなって。手術後のあの「ごめんねおばさん…」の声にぎゅーーが止まらない止まらない。

泣かないでよって言いながら涙を拭うサトルとだって…って言いながら泣いてるノリコ、2人ともお互いを想いあってるんだなってすごくわかる。サトルはノリコに引き取られてよかったってほんとに思ってるよ、ノリコ。

 

 

・ナナとサトル

もうここもざっくり分けちゃう。「笑っても散歩しても、ノリコと病院に行っても、サトルの体からあの匂いは消えなかった」って言いながら窓の外を見つめるナナの表情…ほんと天才じゃない????ぎゅーーポイントすぎる。

サトルが入院するってわかってゲージに入るナナに言う、サトルの「そうだね、一緒に行きたいね」が優しくて切なくてしょうがない。ぎゅーーすぎる。特に「行きたいね」の語尾が切ない。優しくって甘い声なんだけど切ないの。

そんで、ゲージを壁側に向けるサトルの「置いていきたいわけないだろ…」ね!!!いやもうだめでしょ…ぎゅーーすぎるよ、もうここずっとぎゅーーだからほんとに。「大好きだよバカ!」って言って出て行くサトルの辛さも、ナナの悲しさももうお互いがお互いを想ってるからこそで……はぁ、もうだめだ、語彙力が足りん

 

 

・「この手がいつも僕を助けてくれた、愛してくれた」

このナナの言葉が私的1番のぎゅーーポイントです。サトルの愛はたくさんたくさんナナに伝わってるよ!サトルにはナナの声は聞こえないけどサトルとナナはいつだって相思相愛で、サトルがナナを大事に大事に思ってたように、ナナもサトルが大好きで大事だよ!サトル!!

 

 

・サトルを見つめるナナ

最後の病室でのシーン、サトルのことを見つめるナナの目がなんとも言えない目でほんと天才!!!ナナちゃん天才!としか言えない……

あと、順番前後しちゃうけど車椅子に乗ったサトルがナナを抱きしめるところ、ほんとに大事に大事に抱きしめてて、これが最後かもしれないからって思ってるのかなって考えたらもうぎゅーーすぎる。「ずっとナナが足りなかったよ…」ここのサトルの寂しくて優しくってあったかい声ね……それを見る看護師さんもノリコも優しい目してるの、この世界の人はみんな優しいんだよね

 

・ナナからサトルへ

「サトルがいなくなってもサトルの好きな人たちがつながってるよ。」からの一連の言葉たち。あの日見た虹は見えるかな。もうだめです。

 

ちょっと話変わるんですけど現在放送中の「僕とシッポと神楽坂」って見てますかね。獣医師さんのお話なんですけど、"虹の橋"の話が出てくるんです。病気になっちゃった犬の飼い主の女の子にその人が話すんです。

「この世を去った動物は天国の手前の橋のたもとへ行く。そこで老いや病気から回復した元気な姿で楽しく遊び回るんだ。毎日が夢のように過ぎていく……でも、ひとつだけ気がかりなことがある。それは残していった飼い主のこと。
今頃どうしてるだろう…
元気でやってるのかな…
動物たちは思い続けるんだ。ずっと。 ずーっと。

 そして月日は流れ……(飼い主さんと犬が笑顔で再会する)

飼い主と動物は永遠に離れることはない。そして一緒に虹の橋を渡っていく。またいつか会える。お別れじゃない。 必ず会えるから」

もうこれぼろぼろに泣きました。サトルとナナを思っちゃって。

それで次の話だと、逆なんですよ。飼い主さんの方が病気で。

その方にもこのお話をするんですけど、

「私が先に逝っちゃったら…?」って聞かれて、「その時は、虹の橋まで迎えに行ってあげてください。」って返すんですよ。

それを見て私、あぁサトルは絶対ナナを迎えに行くんだろうなあって思って。ナナとサトルはお別れじゃない、また会えるよね。あんなに大好き同士なんだもん。サトルは自分の死が近づいてるのにナナの飼い主探しに出るし、ナナはサトルと会うために野良猫に戻るし、もうサトルもナナも大好きすぎだよ。彼らが一緒にいないなんておかしいよ。サトルもナナもちょっとだけばいばい。必ずまた会えるよ。

 

 

 

いや〜〜ここまで読んでくれてる方いるのかな(笑)

だだだだっと書いてみたけどきっと読みづらさしかないんだろうな(笑)

 

ここまで何度も可哀想って言ってきたけど、それでもやっぱりサトルは幸せだったよね。側から見たら不幸かもしれないし可哀想かもしれないけど、サトルは幸せだったんだよね。どんなことも捉え方次第なんだと思う。その人がどう捉えるか、同じことでもポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか、それ1つでだいぶ変わると思うんですよ。サトルはきっと誰よりも悲しさを知ってるから人に優しくできるんだと思う。

パンフレットで蒼汰くんが「悟は遺された側の悲しみを誰よりも知ってるから、自分が死んだ後にナナに家族がいてほしい。絶対にひとりにはしたくないという気持ちが強かったんだと思います。」って言ってるんですよ。もうほんとこの通りだなって。あぁ私が言いたかったのはこれだって(笑)。もうこれです、私の言いたいこと(笑)。こんなに長々と書いてきたけど(笑)。

野良猫のナナにとってサトルという家族ができた。いつも人と一定以上の距離を取っていたサトルが本音を言えるナナという家族ができた。予告であった、「もう1人じゃない。1匹じゃない。」ってフレーズ、天才じゃないですか????そうなんですよ、もう1人じゃない、1匹じゃない。心を許せる相手がいるからね。ナナとサトルは誰から見ても最高のコンビだよ。

 

ちょっともう終わり方わかんなくなりました(笑笑)

ここまで読んでくださってる方いましたら、ほんとにほんとに拙い文章で申し訳ございませんでした。

ほんとはもっと書きたいこと、書きたいところ、たくさんあったんですけどもうほんと語彙力が足りなくて………( ;  ; )

 

 

私はこれを書きながら、また会いたくなったので1人と1匹に会いに行ってこようと思います。

 

 

もし、これを読んでナナとサトルに会いたいなって思ってくれたらそれ以上に嬉しいことはありません。

 

 

ー追記ー

 

もう一度見てきて、これ書こうと思ってたのに書いてないじゃん!って気付いたことがあったのでしれっと追加しておきます(笑)

それとなんか全体のふわっとした感想を。

 

・"行かないでサトル"

それまでずっと「行くな!」とか「戻れ!」って命令口調なのに必死な声で「行かないでサトル!」って……

もうここほんと…なんで書き忘れたの自分…

ナナの演技はもちろんだけど、高畑さんの声がすっごく良くて。

最初はやっぱり「しゃべった!」って思うんだけど(笑)、観ていくうちに全く違和感なくなってほんと高畑さんの声の力ってすごいなって思いました。ここの"行かないでサトル"ってとこも、前に書いた"愛してくれた"ってとこも最後のサトルへの言葉たちも、もうほんとすごいなって。語彙力がなさすぎてすごいしか言えないけど本当にすごい。

 

 

旅猫リポート、試写会から数えて9回観てるんですけど、なんだろう、毎回ぎゅーーポイントが少しずつ違うんだなあ。

今日はなんだかサトルとノリコのシーンにずっとぎゅーーってなってたなぁ…

 

 

あと、書きたかったこと、サトルの笑顔。

あははって笑うときも、優しく微笑むときも、切ない笑顔も、すごく印象的で。

菜の花畑でうってなって車入る直前に車の上のナナにニコってするところすごく好きで。

なんでかわからないけど、小さなところだけどすごく好き。

「楽しいから笑うってよりも笑ってれば楽しいことあるかなって」これ、私が応援してる人が言ってた言葉なんですけど、サトルもこう思ってたりするのかなぁって。完全に自分の解釈だけど。

ハチが亡くなったってチカコたちに話したときも、ノリコと話してたときも、泣いたあとは笑うんだなあと思って。

 

 

それと、サトルは強い人だなあと思うけど、自分がサトルの側にいる人だったらもっと弱さを見せてほしい、頼ってほしいときっと思ってしまう。でもそんなサトルが"置いていくなよ…そばにいてくれよ……"って言える相手はナナだったんだなぁ…サトルのたった1匹の猫だもんね。

 

 

もう文章とっ散らかりすぎてほんとにすみません……読みづらさものすごいんだろうなこれほんと…

 

 

またしても終わり方がわからなくなりましたが…(笑)

とにかくもう、この切ないけどあったかくて優しい気持ちになれる物語を少しでもたくさんの人に見てほしいという気持ちでいっぱいです。

 

 

そして、もしこれを最後まで読んでくださった方がいたらもうそれだけで嬉しいです。

こんな読みづらい文よく読んでくださったな…って。申し訳なさもすごいです。

でも、ほんの少しでも"わかる!"ってなったりしてくれたら嬉しいです……

 

 

 

2018.11.19.